山奥のお寺のあったか〜いお話!
そのお寺は
人里離れた山奥に
ポツンとありました
和尚さんはたった1人で
掃除をしたり お経をあげたり
お寺を訪れる人々の話を聞いたり
大きなお寺を切り盛りしてました
和尚さんは ある日
山で親とはぐれた
シカの赤ちゃんを見つけました
ヘソの緒もついたまま
小さな体も とても弱ってます
「こりゃ大変だ 寺へ連れて帰って
手当してあげなきゃ」
和尚さんはどうしていいかわからず
弱った子ジカの赤ちゃんに
牛乳をあげてみました
「飲まないな〜弱ったな〜」
動物園に電話してみたら
「シカの赤ちゃんでしたら
牛の脱脂乳を飲ませてあげるといいですよ」
「おお!ありがとうございます!」

ようやくシカの赤ちゃんは
美味しそうにゴクゴク牛の脱脂乳を飲みました
「うまいか〜 よかったよかった
もっと飲め飲め〜」

シカの赤ちゃんはめきめき元気になり
和尚さんの後ろを
チョコチョコついてくるようになりました

和尚さんはクリンを娘のように可愛がり、
クリンも和尚さんの姿が見えないと
チュンチュン鳴いて
和尚さんを探しまわるのでした

クリンは和尚さんが大好き
和尚さんもクリンが大好き
1人と一匹は本当の親子のよう

そんなある日
お寺の庭に知らないシカたちが
顔を出すようになりました
「ややや!雄ジカばかり!
さては可愛いクリンを
狙っているな!」

庭に顔を出す雄ジカの数は
日を追うごとに
ますます増えていくばかり

和尚さんは
フと思いました

そういえばクリンもお年頃
いつまでも自分の元にいたら
シカの世界へ戻れなくなってしまう
恋して子供を持つことが
クリンにとっての
幸せじゃあなかろうか

「ほうらクリン 仲間とちょっと遊んできなさい」
イケメンを選ぶんだよ〜」
チュンチュンチューン!
おとうさ〜んただいま〜!
たのしかったよ〜
みんないい人(シカ)だったよ〜!
あれれ?あれ?
何の音もしません
チュンチューン
チュンチューン
チュンチューン
和尚さんとクリンとの生活は
たった3ヶ月ちょっとだったけど
和尚さんにとっては
1人娘を育てあげた位の
中身の濃いい時間だったのでした

そんな温かい和尚さんのいる
山のお寺でのお話は次回!
お寺に置いてあったアルバムの
ミルクを飲むクリンの写真

2014-04-01 │ ご紹介 │ コメント : 23 │ トラックバック : 0 │ Edit