Y子、ついに殻を突き破る!
【Y子のアーティストへの道】
シリーズ「Y子のアーティストへの道」です。
Y子版ブルーピリオド。
18歳〜19歳のY子のもがき苦しむ青春を
是非、読んでください。
「美術予備校・地獄編」
→〈その1〉 →〈その2〉 →〈その3〉 →〈その4〉
「春休み編」
→〈なぜ美大に行こうと思ったの?〉
「美術予備校・浪人時代編」
→痴漢がいやだった浪人時代
→伸び悩みに悩むY子19歳
今回は「Y子、ついに殻を突き破る!」です。

クラスでトップのミヨちゃんの絵に
どうしても似ちゃうんです。
どう描いていいかわからないから、
先生に褒められるミヨちゃんの絵に
どうしても寄ってっちゃうんです。
受験も目の前なのに、
本当に絵を描くのが怖くなってました。
そんなある日。

全国コンクールなので、
同じモチーフを何十人もで描いて競い合います。
他の予備校の人も来てたので、
受験模試みたいなものだったと思います。
課題は「チャボ」
ニワトリのチャボです。
これがな〜
コッコッコッコッと
むちゃくちゃ動き回るんだよな〜

チャボは動き回るし、
気づくとミヨちゃんの絵になりかけてるし、
途中で、思わずデッサンの手を止めました。
もういやだ。
もういやだ。
ミヨちゃんの絵に似せる自分が嫌だ。
先生の目を意識して描くのも嫌だ。
いやだ
いやだ
いやだ
いやだ〜〜〜〜っ!

もう、受験とかどうでもよくなっちゃいましたっ!
合格とか浪人とかミヨちゃんとか
どうでもよくなっちゃいましたっ!
ただ、チャボの黒い尾っぽを
水墨画みたいに
ズザーッ!
ズザーーッ!
ズザーーーッ!
とひたすら黒く、強く、勢いつけて
描き続けてました。
もうホントにすべて、
どうでもよくなっちゃったんです。
そして・・・

講評の時間となりました。
全国から来てるので、
ものすごい数の絵が並べられました。
もちろん左上が1番で、
右下が1番アカンというルールはそのまんまです。
その時、思いもかけぬ光景が。
「えっ!?」

えええええ〜!?
あのすべてを放り出した絵がっ
2番!?
えええええ〜〜〜っ!?
先生の講評もとても優しい。
思わずえ〜んえ〜んと
子どもの様に泣きだすY子19歳。
ようやく、ようやく、
ようやく褒めてもらえたよぉ〜

この時、人生で初めて、
「自力でカラを破る」
という体験をしました。
人生で初めて
「自分の絵のタッチを見つける」
という体験をしました。
この時の体験は強烈で、
この時生まれた絵のタッチが
今の私の絵にとても影響してるし、
壁にぶつかった時、
「あの浪人時代のチャボを思い出せ!」
と、自分に言い聞かせてます。
何年も予備校に行って、
ず〜っと苦しんでて、
ようやく水面に頭が出て息ができた感じ!
すごく嬉しかった!
でもでも…

全国コンクールの講評が終わって、
いつものように皆と帰ろうと声かけても
誰も口をきいてくれなかったんです。
悲しいというよりも
皆も追い詰められてるんだ〜と理解しました。
一緒に戦ってる仲間って意識だったけど、
ライバルだったんだ〜と気づいた日でもありました。
次回、受験本番!へ続きます!
見てね!
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シリーズ「Y子のアーティストへの道」です。
Y子版ブルーピリオド。
18歳〜19歳のY子のもがき苦しむ青春を
是非、読んでください。
「美術予備校・地獄編」
→〈その1〉 →〈その2〉 →〈その3〉 →〈その4〉
「春休み編」
→〈なぜ美大に行こうと思ったの?〉
「美術予備校・浪人時代編」
→痴漢がいやだった浪人時代
→伸び悩みに悩むY子19歳
今回は「Y子、ついに殻を突き破る!」です。

クラスでトップのミヨちゃんの絵に
どうしても似ちゃうんです。
どう描いていいかわからないから、
先生に褒められるミヨちゃんの絵に
どうしても寄ってっちゃうんです。
受験も目の前なのに、
本当に絵を描くのが怖くなってました。
そんなある日。

全国コンクールなので、
同じモチーフを何十人もで描いて競い合います。
他の予備校の人も来てたので、
受験模試みたいなものだったと思います。
課題は「チャボ」
ニワトリのチャボです。
これがな〜
コッコッコッコッと
むちゃくちゃ動き回るんだよな〜

チャボは動き回るし、
気づくとミヨちゃんの絵になりかけてるし、
途中で、思わずデッサンの手を止めました。
もういやだ。
もういやだ。
ミヨちゃんの絵に似せる自分が嫌だ。
先生の目を意識して描くのも嫌だ。
いやだ
いやだ
いやだ
いやだ〜〜〜〜っ!

もう、受験とかどうでもよくなっちゃいましたっ!
合格とか浪人とかミヨちゃんとか
どうでもよくなっちゃいましたっ!
ただ、チャボの黒い尾っぽを
水墨画みたいに
ズザーッ!
ズザーーッ!
ズザーーーッ!
とひたすら黒く、強く、勢いつけて
描き続けてました。
もうホントにすべて、
どうでもよくなっちゃったんです。
そして・・・

講評の時間となりました。
全国から来てるので、
ものすごい数の絵が並べられました。
もちろん左上が1番で、
右下が1番アカンというルールはそのまんまです。
その時、思いもかけぬ光景が。
「えっ!?」

えええええ〜!?
あのすべてを放り出した絵がっ
2番!?
えええええ〜〜〜っ!?
先生の講評もとても優しい。
思わずえ〜んえ〜んと
子どもの様に泣きだすY子19歳。
ようやく、ようやく、
ようやく褒めてもらえたよぉ〜

この時、人生で初めて、
「自力でカラを破る」
という体験をしました。
人生で初めて
「自分の絵のタッチを見つける」
という体験をしました。
この時の体験は強烈で、
この時生まれた絵のタッチが
今の私の絵にとても影響してるし、
壁にぶつかった時、
「あの浪人時代のチャボを思い出せ!」
と、自分に言い聞かせてます。
何年も予備校に行って、
ず〜っと苦しんでて、
ようやく水面に頭が出て息ができた感じ!
すごく嬉しかった!
でもでも…

全国コンクールの講評が終わって、
いつものように皆と帰ろうと声かけても
誰も口をきいてくれなかったんです。
悲しいというよりも
皆も追い詰められてるんだ〜と理解しました。
一緒に戦ってる仲間って意識だったけど、
ライバルだったんだ〜と気づいた日でもありました。
次回、受験本番!へ続きます!
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2023-09-21 │ アーティストへの道 │ コメント : 3 │ トラックバック : 0 │ Edit